旅行記02 サントリーニ(ティラ)

9月5日
昨晩は夜遅くサントリーニ(ティラ)の港に着いた。街は断崖の頂上付近にあり港から徒歩では行けず、時間も遅かったので客引きに連れられるまま街の近くのコテージ風ホテルにたどり着く。島のホテルはほとんど家族経営だから僕が泊まったホテルも安くアットホームな雰囲気でとても良かった。朝7時すぎに目が覚める。疲れはあるけど夜よく眠れているのがありがたい。船の移動で風を受けすぎたせいか少し頭が痛かったけど今朝は調子いい。窓からはサントリーニの透明な朝の大気が見えた。
サントリーニは島の中央が火山の大噴火で吹き飛び、その火口が海になっている。残った外周部はその火口を円環状に取り囲む断崖の島となり、その断崖にへばりつくように白い集落が散在している。この不思議な風景は独特の世界を形成する。その円環の世界に海から太陽が登り、頭上から照りつけ、そしてまた海へ沈んでいく。
エーゲ海を支配したクレタ文明もこの島の大噴火がきっかけで衰退したといわれる。ミノタウロスを閉じ込めた迷宮クノッソス宮殿のあるクレタ島サントリーニの南に位置する。
強い日差しのなか30分も歩き回ると肌がじりじりと焼かれるように熱くなり汗をかきぐったりした。でもちょっとした木陰やテント、ポーチがあればそこは本当に別世界。海風が心地よく暑さを感じないから不思議。白色の石灰汁で塗られた屋根や壁は輻射熱を反射し、熱容量の大きい組積造の躯体で囲まれた室内はきっと過ごしやすいに違いない。太陽の光に体力を奪われ歩けなくなり、オリーブの木陰に腰掛けオレンジを食べて休んだ。9月あたまとはいえ、まだハイシーズン。物価が高い。でもオレンジはおいしくて安く度々助けてもらった。20時ころホテルに戻ると、オーナー家族がテラスで夕刻のひとときを楽しんでいて「カリスペーラ!」と皆で手をふって迎えてくれた。

海になった大きな火口。

中央に残った島には今でも噴火口がある。

空に浮かぶカフェ。

海にはりだしたテラス。

ヴォールトの屋根を持つ家。

お土産屋が並ぶ通り。光と陰のコントラストが強い。

道路の舗装。火山島だけに石は黒っぽい。

目地がやわらかい表情を持つ。

地元の漁師さんかな。

イアの街の夕景。

ミコノスのスケッチから。
この島では確かにコルビュジェの初期造形言語をたくさんみつけることができた。ヴォールトの屋根、モノル型連続ヴォールトの屋根、海にむかってはりだしたテラス、外部階段の扱いなど・・。




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