9月7日
昨晩は24時過ぎピレウス港へ着いた。深夜のアテネをひとりバックパックで彷徨うのはちょっと怖かった。泊まりたいと思っていた安宿はアテネでも治安の悪さで有名なオモニア広場付近にあったから。無事ホテルにたどりつき3泊確保できひと安心して眠りにつく。
9時半頃ホテルを出る。今日はアクロポリスの丘が目的地。通りへ出るといきなり強い太陽の照り返しでまぶしい。アテネの街は戦災の為か比較的新しく、街路は東西南北のグリッドに乗るため朝夕の太陽の光がまともに抜けてくる。
ポロピライアをくぐりいよいよアクロポリスへ。でも見上げるとあふれんばかりの観光客の姿にうんざりする。まさしく足の踏み場もないほど。僕の気持ちも観光地のひとつを巡るような感じで淡々と廻ってしまった。
正直パルテノン神殿についてはよくわからなかった。でもうれしかったのは、いわゆるヨーロッパの普遍的な固定点として、建築や美術のパースペクティブの消失点として参照され続けてきたパルテノンもまたある設計者によってデザインされたものだと生々しく感じることができたこと。他のドリス式の建築をみて廻るとパルテノンはむしろ特殊解のようにさえ見えてくる。壁と柱が同居する建築はそのとりあいが面白く、柱に壁をぶつけるか、離すか・・などデザイン要素にはこと欠かない。
実はこの日の午後アクロポリスの麓にあるゼウス神殿で知り合ったイタリア人とサッカー話で盛り上がり、一緒に飲みにいったバーでボラれ痛い目にあった。女の子もつくお店で地酒のウゾで何度も乾杯し酔っ払ってしまった。今考えてみるとその自称イタリア人はお店とつるんでいたに違いない。僕は最初から狙われていたと思うとあまりにもアホすぎる。ああ。
プロピライアからアテネ市街を見返す。
パルテノン神殿。
神殿脇に瓦が保存(むしろ放置)してある様子。2種類の役物からなる万国共通の納まり。
エレクティオン。複数の神を祀り正面もたくさんある。おもしろい。
フィロパポスの丘よりアクロポリスを眺める。
ゼウス神殿。建築の巨大性。
アカンサスの葉でしょうか。少しづつ抽象化されオーダーの柱頭を構成していく。
フレスコによる鮮やかな壁画。国立考古学博物館。
市場は活気があって人の表情がいきいきしていた。アテネで暮らす人達の素顔。
僕も毎朝おせわになった露店のパン屋さん。
夏のアテネの陽射しも本当に強い。
パルテノンのスケッチから。