旅行記07 フィレンツェ

9月15日
今日からフィレンツェを足がかりとしてトスカーナ州の中世都市を巡る予定。16時すぎフィレンツェサンタ・マリア・ノヴェッラ駅に降り立つといきなり秋の空気にびっくりする。街にも厚手の上着を着ているひとが居る。数日前までの南イタリアの真夏の天気が嘘みたい。運よく駅近くの安宿3泊確保。フィレンツェなんて人気の観光地だから物価が高そうでイヤだなーと思ってたけどホテルの廻りにはトルコ系のコミュニティもあってか安いバールやケバブ屋など多く助かる。ルネサンスの都だからというわけじゃないかもしれないけど画材屋さんも見かけ、小さいけどなかなかいい建築専門書店があった。僕はここで小さなコルビュジェの本を購入。
ホテルに荷物を置き身軽になった体で夕暮のフィレンツェの街へ出かけた。ブルネレスキの孤児養育院でスケッチ。確かどこかで岸和郎さんがブルネレスキの孤児養育院を近代建築の始まりと言われていたと記憶している。また中世ヨーロッパで建築を主導していた石工から建築家という職能を確立させたのもブルネレスキだという。フィレンツェ大聖堂のクーポラの架構などは伝統的な職人の経験だけでは生み出せない計画だった。
日没後の涼しい空気に包まれたフィレンツェの街を歩くと何故か郷愁に誘われる。


サンタ・マリア・ノヴェッラ駅。フィレンツェでは珍しいモダニズム建築。

ブルネレスキの孤児養育院。「計画」という強い意志を見せる。でも孤立してなくて広場や路地との関係がすごくいい。

同上。アーチが外へ開く力を受けるタイ・バーが見える。引張力を受け持つ鉄。鉄筋コンクリートの登場まであと少し。

あちこちの路地からスケールアウトしたフィレンツェ大聖堂がぬっと顔を覗かせる。

夕暮に浮かぶ露店。不思議なことに田舎の秋祭りを思い出す。涼しい空気のせいだな。

サン・ロレンツォ教会。

パラッツォ・ウッフィツィ。この囲みはシニョーリア広場とアルノ川をつなぎ、さらにポンテ・ヴェッキオまで連続する都市的な回廊を形成する。フィレンツェって単体の建築ではなくて必ず都市空間をつくろうとする土壌があるような気がした。

ポンテ・ヴェッキオ。ローマ的な橋にアジア的な建築が寄生しているような感じ。おもしろい。

写真右手がポンテ・ヴェッキオの橋の部分。左手が川沿をウッフィツィまで連続する回廊。上端を揃え街並を形成している。

中央市場。

フィレンツェのスケッチから。サン・ロレンツォ教会旧聖具室。幾何学的構成にスケッチも幾分硬くなってます。




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