旅行記13 カップ・マルタン ル・コルビュジェ

9月23日
朝8時起床。昨晩から明け方にかけて変な夢をいくつか見た。静かな食堂で朝食を頂きご主人に挨拶しホテルを後にする。イタリア最後の宿だった。3週間ほど前に居たはずのお祭りの舞台のような真夏のミコノスが嘘みたいに、北イタリアの晩夏の海岸の街は静かだった。フィナーレ・リグレの駅でフランス、ニースまで切符買おうとするも、直通の便は無いと言われる。お昼過ぎ国境の手前Ventimiglia着。線路にはフランスの国鉄SNCFの車両も見える。ここからフランスの鉄道が始まっている模様。13時すぎニース行きの車両に乗り込むとフランス語が聞こえてきた。15時半ニース着。イタリアから見ると北なのに、何故か南フランスへ入ると南国の光があるから不思議。この日は少々トラブル発覚。運良く安いホテル2泊確保。

9月24日
朝7時起床。昨日わかったトラブルの件で部屋の電話から東京の銀行へ電話したら「ウィ」とフランス人がでてきた。諦めて身支度し外の公衆電話からかけ直しやっとつながる・・なんとか無事解決。
ニースから鉄道で30分ほどイタリア方面へ戻ったところにカップ・マルタンの駅とその海岸がある。午前中の海岸には人影もほとんど無く、砂利の浜辺を歩いてみた。岬に寄りそうような海岸はひっそりとしていてプライベートな場所といった趣がある。背後には急峻な山坂が迫っている。海を見下ろす遊歩道へ出ると眼下にはきらきら輝く海面と岬が見えた。少し歩くとル・コルビュジェの休暇小屋(キャバノン)があった。コルビュジェはこの場所をみつけることができてうれしかったんだろうなあ。ユニテみたいな都市的スケールの仕事の困難さも、こういう生活の最小スケールを身体化して押えていたからこそ進めることができたんだと思う。小屋の平面寸法もほぼ2間角に近い3660×3660(内法だと思います)というところも興味深い。
キャバノンをあとにしてマルタン岬を見下ろす山頂を目指してひたすら坂道を登りはじめる。日も高く昇りはじめてきて、これはなかなかきつかった。山頂付近には古い城のような砦があり、その足元のかわいらしい村を抜けると目的の墓地にたどり着いた。



ル・コルビュジェが全感覚を通じて掴もうとした海が、目の前に広がっている。




休暇小屋(キャバノン)。

休暇小屋より海を望む。

隣に建つ仕事部屋。

玄関ドア廻り。ドアの前の立ち位置に石が丸く並べてある。このドアは引き戸かもしれない。

そっけない開き窓。

とにかく荒い仕上。割付も無く釘打ちで並べてある貼モノの丸太。

山頂へ続く坂道。

山頂付近にある小さなロクブリュネ村。

コルビュジェ夫婦の眠るお墓。

お墓の眼下には海と岬が見下ろせる。

コルビュジェ無宗教だったので、これは奥さんのものだと思います。

貝殻のあと。

途中の土塀。表面に塗ってある土とくずれた奥に見える目地材の色が異なる。石灰を混ぜる量の違いだと思う。

カップ・マルタンのスケッチから。

ニースの街中の工事現場。石をカットしている。日本の大工が木をカットしているようなものでしょうか。

ニースの海岸。




[旅行記] [ル・コルビュジェ]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%A5%E3%82%B8%E3%82%A8




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