旅行記15 ラ・トゥーレット修道院 ル・コルビュジェ

9月26日
SNCFにて11時すぎマルセイユを発つ。Arles、Avignonと懐かしい名前の駅を通過していく。今こうして自分が南仏の風景のなかに身を置いて居られることに感謝したいと思えた。鉄道と同じレベルを流れるゆったりとした川面は空を映し、川の向こうには平地の林が続く。15時前リヨン.P.D駅着。ローカル線に乗り換え40分ほどでL`Arbresle駅に着いた。村から30分ほど坂道をのぼる。朝から飲まず食わずで体力もない・・けどL`Arbresleの村や田園の美しさに励まされながら歩く。古いお城を過ぎるとついに丘の上にラ・トゥーレット修道院がその姿を現した。
僕は今回隣接する古いお城での宿泊となっていて、部屋に荷物を置き外へ出るともう18時前だった。森の空気はひんやりと冷たい。日没前のラ・トゥーレット修道院の中庭を散策した。荒地というに相応しい中庭の傾斜地を歩いていると、神々の雄たけびや地鳴りのような音が聞こえてくるような感じがした。
これは建築ではない。そんな気がした。
9月27日
朝7時起床。7時半ダイニングで朝食を頂く。大型のカップの温かいコーヒーがありがたい。朝食後部屋に戻り身支度をして、さて今日もラ・トゥーレットへ挑みにいくぞと気合をいれる。森は朝靄でかすんでいる。エントランスに腰掛け中庭のスケッチ。ラ・トゥーレットを目の前にしてスケッチしている喜びを感じながら。その後午前中はゆっくりと内部をめぐることができた。スコットランドの音楽家のおじさんも滞在していて、どこからか彼の吹くホルンの音が建物中にこだましていた。波動リズムガラス面から入ってくる光はその音と一緒に鳴り響いているみたいだった。
お昼一旦部屋に戻り12時半ふたたびダイニングにて昼食をいただく。昼食にはワインもついて一緒に滞在していた理科大の大学院生と酔っ払いながら建築談義。久しぶりに若い人と建築の話ができておもしろかった。昼間から飲みすぎて部屋に戻り結局夕方まで寝ていた。16時すぎ、再びラ・トゥーレットへ。ガイドツアーにまぎれて礼拝堂に入った。


ラ・トゥーレット修道院へ行く途中。列車を降りたL`Arbresleの村が見渡せる。

ラ・トゥーレット修道院。すでに廃墟みたいな感じ。実際あっちこっちで修繕の必要がある。

谷の方向を見る。

中庭。荒々しい造型のぶつかりあい。

同上。

中庭の通路は傾斜地から離れ浮いている。

内部より中庭を見る。

水平の採光スリット。

僧房階。

僧房内観。

僧房ロッジアのプレキャストパネル。その辺で適当に拾ってきたような石。上野の西洋美術館もコルビュジェが監理してたらもっと雑な仕上げになってたはず。でもこんな荒っぽい仕上げは日本には似合わないんだろうなあ。

小礼拝堂の採光。スリットには深い奥行きがあって反射光がコントロールされて入ってくる。

螺旋階段内部。

中庭の通路。

波動ガラスのリズムはその影と光がつくりだす。

通路より礼拝堂を見る。

礼拝堂より通路を見返す。

同上。

地下礼拝堂。採光砲(Canon a lumiere)から光が入る。

ラ・トゥーレット修道院のスケッチから。

同上。

同上。
備考 http://www.couventlatourette.com/
    http://www.taisei.co.jp/galerie/archive/pictures/latourett.html
    http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1030.html
    http://d.hatena.ne.jp/uda-24/20081108/ オリュンポスの神々 ラ・トゥーレット修道院

ラ・トゥーレット修道院での宿泊は3食付で一泊45ユーロ(学生25ユーロ)でした(2008年現在)。確か下記サイトHow to visitからメールを送り予約したと思います。参考までに。
http://www.galinsky.com/buildings/latourette/index.htm




[旅行記] [ル・コルビュジェ]  
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%A5%E3%82%B8%E3%82%A8




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