旅行記 おまけ ボローニャ  回廊の街

実務が続くので、少し気分転換。
旅行記で触れなかった場所と写真を少し載せてみます。
回廊の街ボローニャセリエAのサッカーチーム、ボローニャFCのおかげでその名前だけはずいぶん昔から知っていたけど、都市としての魅力を知り、訪れてみたいと思ったのは鈴木恂さんの回廊をめぐる文章を読んだときからでした。
なかなか手ごろなホテルが見つからずバックを引きずりながら缶ビール片手にとぼとぼ歩き廻った街。ケバブ屋のお姉ちゃんの笑顔に救われたこと・・。雨にも関わらず回廊のネットワークで街中を歩き廻れたこと・・。回廊を歩き回って得た感触は確かにこの都市の記憶の輪郭として僕のなかに残っているようです。
「柱列の間を回って、またはアーチを抜けて、幾度でも回遊を繰り返すときに、つねに離れないのは、人の気配である。はじめのうちは遠近に弄ばれ、薄暗がりに通廊の筋しか見出せないときでも、かならず視線は、闇の中に人々の行き交う動きを見つけることだろう。もし人影が見当たらないにしても、列柱の壁の表とは違って、その裏、つまり回廊の内部には、つねに人の気配が漂っている。回廊はできるだけ早く、都市の懐に入るための玄関のようなものである。都市の内部に侵入するには、もってこいの形をした入口にあたる領域である。そこに潜行する肉体の移動は、空間的な行為といえるが、どこかで夢想的な引力が作用して、人はその領域に吸い込まれ、都市に入ったと錯覚し、見通しの奥行を感覚的に獲得していくのである。
・・・公共空間といわれるものには、いろいろな形があるが、そのうちでも橋と回廊は、もっとも力強い都市の公共空間といってよいだろう。それは構造的にも、領域的にも、都市の姿を支えようと構えているからだ。とくに回廊は、コミュニティの大きな空間、たとえば公園とか広場とか大劇場のように、単体の象徴的なデザインを外に晒すことはないが、それでいて、小さなコミュニティをつくり、結びつけて、大きな輪をこしらえることを特徴とする空間である。・・」
鈴木恂「回廊回遊」より



以下写真は全てボローニャです。




所有も時代も異なる隣り合う建物が手をつなぐように回廊をつないでいく。


街路をその内部に引き込んだ建物から街を見返す。ここでは建築物は区切られた敷地に建つ単体の存在ではなくて、都市の構造そのもの。




ボローニャを離れる日の早朝出会った清掃車。表に出ないけど都市を支える大切な要素のひとつ。


備考 
http://msuzuki-ams.com/publication/pub_kairo.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A3




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