旅行記 06 ショーの製塩工場 Arc-et-Senans

02年8月29日
朝いつものように部屋でコーヒーを飲み 10時発
途中寄った小さな村で窓からおばあちゃんが何か話しかけてきたけど、フランス語でさっぱりわからなかった。きっと何か村の自慢をしてくれたのかもしれない。手を振って別れました。
アルケスナンは小さな街で、わかりにくいと思ったけど順調に到着。近くの公園で昼食+昼寝。
ショーの製塩工場。18世紀という近代の幕開けの時代。クロード=ニコラ・ルドゥー(1736-1806)設計。磯崎さんの大好物。僕がこの手の建築家で最初に知ったのはブレーでした。建築を勉強する前の頃、「建築家の腹」だったかそんな名前の映画を観たら、ブレーの「ニュートン記念堂」が出てきました。
既存の社会のシステムではなく、啓蒙と理性を現実世界に投影する純粋幾何学を下敷きに建築から都市までつくりきろうとした、強い意志を感じました。






強い軸線上に建つ正門。

理性的な部分だけではなく、グロテスクな造形も見られる。自然石が積まれたグロット。

正門からの見返し。強い軸線が伸びている。

列柱を持つ監督官の館。この理想都市の文字通り中心。円の中心。

壁面も屋根も純粋な円を下敷きに曲がっている。

監督官の館の列柱。独特の柱の様式はトスカナ式鋸状柱というそう。円と四角の組み合わせが面白い。

監督官の館から正門方向を見返す。強い軸線。軸線は南北軸であり、太陽の運行と対応しているという。

監督官の館。ペディメントの中央にあけられた円形の窓からの眺め。ミシェル・フーコーパノプティコンの視点。

ルー河の監督官の館。模型。

蜂の巣?生物のつくりだした構造。

労働者の家。平面。

ショーの製塩工場の半円形のプラン。軸線は南北軸であり、太陽の運行と対応しているという。


磯崎さんによる革命様式(単純な幾何学で建築をつくろうとするもの)の建築家。(「磯崎新の建築談義#10 ショーの製塩工場」から)
重源(12世紀の日本で木造)、ブルネレスキ(15世紀のイタリアで煉瓦造)、ルドゥー(18世紀のフランスで石造)、レオニドフ(20世紀のロシアで金属)




ショーの製塩工場 18世紀 (磯崎新の建築談義)

ショーの製塩工場 18世紀 (磯崎新の建築談義)