ドミノ ル・コルビュジエ レム・コールハース SANAA

レム・コールハースほどコルビュジエのドミノを愛した建築家はいないのではないでしょうか。水平のスラブは斜めに運動し、トポロジカルに連続しています。
しかし垂直方向に積層されているスラブという意味で自然とは離れていて、やはりドミノであることには変わりありません。(オランダに自然という概念がどのようにあるのかわかりませんが)
先日の西沢 立衛さんがさかんに言われていた「日本建築が自然と寄り添うすごさ・勇気」みたいな言葉が印象に残っています。
西沢さんの建築の平面の曲線、斜めの床(地形なりで地面にべったりくっついています。)は、例えばコルビュジエの建築であればドミノというルールの中に組み込まれて、はじめて浮び上る要素ですが、西沢さんはそれだけで建築をつくりきってしまう。
ルールを失った自由な曲線。それはもはや建築ではなくアートになってしまいます。
コルビュジエが面白いのは自らつくったルールを自ら壊していくところにあり、自らつくったルールに感覚的なものを解放し(ぶつけ)、運動させていくところだと思います。
しかしそれが建築的であるのはやはりそのルール(システム)があるからだと思います。
その意味ではコルビュジエの曲線や斜めの床(水平と対比されるべき)が建築全体を飲みこんでしまったSANAAの建築はすごいなあと思います。果たして建築と言えるのか。(もちろん言えるのですが、拠り所になるシステムが可視化されず、アート(的)なものになって行きますよね。それは答えを求めることが難しくとても勇気がいることだと思います。)



ル・コルビュジエのドミノ




レム・コールハース ジュシュー・キャンパスの二つの図書館計画案。ドミノシステムの批評的操作。



ル・コルビュジエカルタゴの家とレム・コールハース/OMA のユトレヒト大学エデュカトリウム。

ル・コルビュジエのドミノ ー ドミノの変形・・コの字に嚙み合った断面構成。



レム・コールハース ー ドミノの変形・・コの字に嚙み合った断面構成。



レム・コールハース ー ヴィラ・ダラヴァ(1991) サヴォア邸をモチーフにしたように見える住宅。屋上にスイミングプールがあります。コルビュジエの初期の住宅案を想起させます。



ル・コルビュジエの屋上にスイミングプールがある初期の住宅案(1929)