旅行記08 サン・ジミニャーノ

9月16日
今日は天気もいいし朝の空気が気持ちいい。朝からパリっとした格好でバールに立ち寄りカウンターで店の人とひと言ふた言交わしながらカプチーノエスプレッソをくいっと飲んで仕事へ向かう若い男性や女性を見かける。ささやかだけど都市生活を楽しんでいるなあ。
お昼過ぎフィレンツェからサン・ジミニャーノへバスで向かう。途中一度乗り換え14時ころ無事たどりつく。豊かな田園に囲まれた丘の上に建つ中世都市。城壁は丘の尾根なりにヒトデみたいな形状で街をとり囲んでいる。最も長い南北方向の尾根に沿ってメインストリートが通っているようだ。城門をくぐりこのメインストリートなりに街の中心部へ向かう。通常はドゥオーモ(教会)の鐘楼が街の中心の目印になるけどこのサン・ジミニャーノでは林立する塔のシルエットをめざして歩けば間違いなさそう。地形なりにおだやかに登っていくと連続する個性的な2つの広場に出る。ひとつはかつての水源であった井戸を囲む三角形のチステルナ広場で、もうひとつが教会やポデスタ宮で囲まれたドゥオーモ広場。そしてこの2つの広場の周辺にほとんどの塔が集まっている。こうしたいくつかの要素が集まって独特の都市的シークエンスが展開していく様子は歩いていて楽しいし、大きな階段や大きなロッジア、象徴的な井戸の周りなど居座る場所もたくさんある。
陽も傾いてきた夕暮れに街の外周部、城壁に沿って建つ教会の鐘楼から鐘の音が響き渡る。城壁の外の田園一体にまで鳴り響く鐘の音に、風景の一部になった音のことを思う。その鐘の音はここで生まれ働き生活してきた人々にとっては生活のリズムを刻む音であり、記憶を呼び覚ます風景の一部でもあるんだろうなあと思った。

丘の上に築かれた都市。城壁に沿って立つ鐘楼が見える。鐘の音が周囲の田園一体に響き渡った。

城門よりサン・ジミニャーノの内部を見る。都市そのものが大きな建築。

通りより見える塔。サン・ジミニャーノは多塔の街として知られる。

ドゥオーモ広場。

チステルナ広場。井戸を囲む三角形の広場。

城門から外を眺める。谷へ降りていく道。遠くにはトスカーナの田園風景が広がる。

降りていった谷には昔使われていた共同の洗濯場があって今でもきれいな水がながれていました。

谷へ降りる道沿いの塀の表情。




[旅行記]


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