2023-01-01から1年間の記事一覧

「近代」の終わり・・・世界の価値観

2016年12月。 インド門を訪れたとき、本当の意味でのポストモダンは欧米(日本)のなかからではなく、アジアやアフリカなど21世紀を牽引する国々から生まれて来るのかなと思いました。 普遍的(だと思っていた)価値観が揺らぐ世界を見ています。ロ…

前田泰宏さん講演 「美の効用」について

内田咲子さんから誘っていただいた前田泰宏さん講演会の案内には「美の効用」とあり、当初、怪しい?と訝しんでいました 笑。しかし、前田さんのお話しが始まると一気に引き込まれ、笑いもあり、あっという間の一時間でした。 強烈なお話しで、頭のなかで整…

まつえ / 風景会議

近代はいろいろなものを機能で分けていった時代だと思います。住宅の内部では食べる場所と寝る場所が分けられ、都市は用途(機能)によって分けられました。住む為だけの住宅を建てる場所、商売する場所、工業の為の場所などに分けられました。でも今から見…

自分が自分であること。建築と自己同一性について。

自分が自分であること。 藤森さんの言葉だったか、昨日と同じ街があって、昨日と同じ建築があって、朝起きると確かに昨晩寝た部屋で目覚めること。人が、自分が昨日までと同じ自分であることは、そんな連続性で確かめてるんじゃないか、といったニュアンスの…

Ms 建築設計事務所 建築家 三澤文子さん

住宅デザイン学校関西場所のひとコマ。 「千里私たちの家/Ms 建築設計事務所」で建築家 三澤文子さんから住まいの変遷をお聞きしました。アトリエと住まいそのものが、千里というまちの変遷と共にあり、木の住まいの実験の場であり、日常と仕事の場であり、…

奥出雲 / たたら製鉄 / 棚田

実家の庭から眺めた冬の風景(奥出雲町 佐白)ここは雲南から仁多に入ってくる街道の最初の宿場町だったと聞きます。冬は、かつてのまちの骨格が浮かび上がります。雪の粒子で覆われると、新建材も人工の構築物も、木や草や遠く山並みまで連続していきます。…

場所はいつも旅先だった

しばらく忘れかけていた20代の頃の気持ちを思い出すような映像でした。 これから先、知らない場所、知らない世界とたくさん出会うと信じていた頃の。 「サンフランシスコの24時間ダイナーでカップルが政治の話をしているとき、シギリアの若い僧侶は寺院の…

学生時代の課題から

早稲田大学専門学校(現:早稲田大学芸術学校)在学時 課題から A1の画用紙に全て手描きで描いた配置図。住宅地図をコピーして、カーボン紙を下敷きに描き写しています。敷地は学校とアパートのあった新大久保の住宅地です。間口は2~30mで奥行きは300mく…

コーリン・ロウ「コラージュ・シティ」

松江では松江城の目前の高層マンションの計画を巡り、その是非を問うために建築家の寺本さんが勉強会を開催されると知りました。私自身はまだ詳細を知らないのですが。寺本さんの勉強会の資料を拝見し、そのなかで「街をつくらない高層マンション」という図…

建築が好きになる 24歳の頃 / A3(職人・芸術・建築)ワークショップ

建築が好きになったきっかけのひとつは1998年に早稲田大学で石山修武さんが催されたA3ワークショップでした。2週間、24時間とにかく建築漬けの日々でした。参加者は建築家の卵から学生、ゼネコンの設計部から銀行マン、左官職人から主婦まで多種多様。午前中…

海の夢 ル・コルビュジエについての断章 

お彼岸。 太陽が真東から昇り真西へと沈む、秋分の日は、この世(此岸)とあの世(彼岸)が地続きになる日。 建築の本質は境界をどうつくるか、ということだと考えてみます。 その境界をきっかけにして内部と外部が生まれます。 境界は何か特別な場所ではな…

「建築家・内藤廣/BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」

「開幕記念 内藤 廣 講演会」 を拝聴しました。 内藤さんにしては珍しく展覧会のPRを含めて、言わなきゃいけないことを足早に話されている印象もありました。結果的に30分、時間が余ってしまい、その余った時間に素?で話されたことが個人的にはとてもよか…

山代さんレクチャー_UMITO

SUKIMONOさんからお声がけいただき温泉津で建築家 山代 悟さんのレクチャー中大規模木造のお話を聞く機会を得ました。国内外の動向からご自身の近年のお仕事まで直接聞ける機会は貴重でした。木造中規模ビルを普及させる為の標準モデルの研究も、と…

君たちはどう生きるか

宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」を観ました。 鈴木博之さんの「私的全体性」のことを想いました。 対象を分析する(説明する)には要素に分けていけば良いけど、要素(部分)を集めて全体をつくる行為の本当のところは説明できない。(普遍化できない) 宮…

建築のその不自由さと、建築のその不自由さこそ建築の最大の強度であることについて。

1996年。上京して建築の勉強を始めた頃。当時はコンピューターやインターネットが一般的に普及し始めた時期で、自由な世界をつくりだすコンピューターの可能性が実感され始めた頃でした。対して物質的な建築を、バブルの反省もあって、不自由だと感じる気分…

広島ビッグアーチ(エディオンスタジアム広島)

何十年ぶりに広島ビッグアーチ(エディオンスタジアム広島)でJリーグ観戦。 久しぶりの完全な休日^ ^ 誘ってくれたのはサッカーを通した旧知の方でフランスW杯アジア最終予選(97年)を旧国立競技場で何試合も観戦し、絶望や歓喜のときを共有した仲です…

海の庭

ある言葉が自分のなかにある無意識の記憶と繋がることがあります。その時、不思議なあたたかさを感じます。あたたかな陽射しで冷たくてかたい何かが溶けていくような感じ。 「抑鬱をたたえて 海の庭に来てみては 今日も「石」の聞く音を 聴く」 序文より ア…

おおらかな場を生み出す建築的強度とは

島根大学にてJIA中国支部島根地域会研修会の聴講の機会を得ました。 講師は建築家 前田圭介さん。「おおらかな場を生み出す建築的強度とは」というテーマでレクチャーがあり、後半は前田さんと島根大学教授 千代章一郎先生との座談会でした。 レクチャーの前…

磯崎新「海のエロス」

「ひとりの男のうしろ姿を撮った一枚のスナップが、私にはどうも忘れられないでいる。それは、地中海の光景だ。まったいらにひろがる水平線、おそらく、焼きついた浜辺の小石のうえを、おどるようにとびはねながら、海へむかっているひとりの老人の水着姿な…