コーリン・ロウ「コラージュ・シティ」

松江では松江城の目前の高層マンションの計画を巡り、その是非を問うために建築家の寺本さんが勉強会を開催されると知りました。私自身はまだ詳細を知らないのですが。寺本さんの勉強会の資料を拝見し、そのなかで「街をつくらない高層マンション」という図が印象にのこりました。そのとき、コーリン・ロウ著「コラージュ・シティ」の「オブジェクトの危機」の図版を思い出したんです。

この図版は鈴木了二さんの授業で何度も見た記憶があります。

マルセイユのユニテとウフィツィがちょうど地と図が反転した関係にあると見立てています。コーリン・ロウは、ウフィツィのヴォイドとしての図の方がみんなに共有され開かれた構造体である、と言っています。対してコルビュジエのユニテは住人の為の場所として閉じているのではないか、といった批判として読み取れます。

個人的にはコルビュジエのユニテは西欧の伝統的な都市において建築物の集積としての<地>の中に、広場などの都市空間としての<図>が存在しているという歴史的文脈のなかで意味を持つと思っています。(その意味において連続性があると言えます。)マルセイユのユニテは伝統的な都市における地と図の関係を反転させようとした、都市を大地から持ち上げようとした、その意思として、すごい建築だと思っています。

しかし、伝統的な都市が包み込んできた、ヴォイドとしての場所は、多様性があり、まちを豊かにしますね。

寺本さんの「街をつくらない高層マンション」という図を見て、そんなことを思い出しました。

 

 

コーリン・ロウ 『コラージュ・シティ』 (オブジェクトの危機より)マルセイユ ユニテ・ダビタシオンとウフィツィの比較。

 

 

ウフィツィ(イタリア フィレンツェ 建築家ジョルジョ・ヴァザーリ 16世紀 現在はメディチ家歴代の美術コレクションを収蔵する美術館 )

旅行記07 フィレンツェ - うだ日記

 

 

 

マルセイユ ユニテ・ダビタシオン(ル・コルビュジエ )

旅行記14 マルセイユのユニテ・ダビタシオン ル・コルビュジェ - うだ日記