学生時代の課題から

早稲田大学専門学校(現:早稲田大学芸術学校)在学時 課題から

 

A1の画用紙に全て手描きで描いた配置図。住宅地図をコピーして、カーボン紙を下敷きに描き写しています。敷地は学校とアパートのあった新大久保の住宅地です。間口は2~30mで奥行きは300mくらい。下級武士の短冊状の敷地割が路地として残っています。グーグルマップも無い時代でした。配置図内の建物は全て現地を歩いて高さや屋根の形状を調べています。屋根形状に応じて屋根の陰影を塗分け、建物の影で立体感を出しました。

 

長手なりに断面を細かく切ったドローイングです。ロットリングで壁に墨入れし、水彩で建物のみえがりを着色しています。建物の周辺などはマスキングした上にグレーのジェッソを絵筆で塗ったと思います。長手に沿ってどんどん断面が変化して、多様なシークエンスが展開されること表現したいと思いました。輪切りにするように断面を入れていくことは鈴木了二さんのアドバイスでした。

 

建築内観模型。光の入り方を表現しています。いわゆる窓っぽい窓はつけず建築の大きな動きで光を入れることを考えていました。当時、設計の先生のひとりだった建築家の小宮山昭さんが、「良い建築の屋根伏せを見てごらん、深い影があるから。」と言われたことが忘れられません。その言葉の影響もあって、ストーンと井戸のような垂直の抜けをつくろうとしていたと思います。

 

CGではなく畳1枚分くらいの大きさの模型です。敷地周辺の建物は全てスタイロを切り出し、ジェッソで塗っています。通り沿いの商業ビルや高密度な住宅地のスケール感がわかると思います。