「建築家・内藤廣/BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」

「開幕記念 内藤 廣 講演会」 を拝聴しました。
内藤さんにしては珍しく展覧会のPRを含めて、言わなきゃいけないことを足早に話されている印象もありました。結果的に30分、時間が余ってしまい、その余った時間に素?で話されたことが個人的にはとてもよかったです。
グラントワの中庭のこと。そのスクエアな中庭は地中海のモスクの広場を起源としてシルクロードを渡って遥か益田まだたどり着いた文化の象徴ではないか。正確にはそれは若かりしバックパッカーの内藤さんご自身がスペインのプラザ・マジョール(マヨール)に身を置き、シルクロードを経てたどり着いたインドのレッド・フォートの中庭でみた白大理石とインドの青い空、中国の故宮(の中庭)、そういう身体化された建築の骨格としての中庭の原体験のようなものが下敷きになっているという話だったのかもしれません。鈴木博之さんの私的全体性のことを思い出しました。
最後の質疑応答も内藤さんらしい内容でした。赤オニからみた未来をどう描きますか? といった質問に対して、「青オニに攻め込まれているのではないか。都市的なものは怪しい。赤オニ的なもの、非都市的なもの。山野や海、その土地に則した文化を大切にした方が良いのではないか」
肝心の展覧会の方は、、ちょっと情報量が多すぎて消化不良、、もう一度(二度?)行かなくては、と思いました。
地形のコンタが美しい建築の模型は是非学生の皆さんに見て欲しいです。
それにしても島根県には東西にそれぞれ素晴らしい文化の拠点、美術館がありますね。