ル・コルビュジエ

海の夢 ル・コルビュジエについての断章 

お彼岸。 太陽が真東から昇り真西へと沈む、秋分の日は、この世(此岸)とあの世(彼岸)が地続きになる日。 建築の本質は境界をどうつくるか、ということだと考えてみます。 その境界をきっかけにして内部と外部が生まれます。 境界は何か特別な場所ではな…

磯崎新「海のエロス」

「ひとりの男のうしろ姿を撮った一枚のスナップが、私にはどうも忘れられないでいる。それは、地中海の光景だ。まったいらにひろがる水平線、おそらく、焼きついた浜辺の小石のうえを、おどるようにとびはねながら、海へむかっているひとりの老人の水着姿な…

Chandigarh Architecture Museum

Chandigarh Architecture Museum(2016年12月) チャンディーガルの美術館の横にある都市計画や見地の博物館です。 オリジナルはスイスに建つ Pavillon Le Corbusier(おそらく鉄骨造) 機能に対応した箱と自立したルーフ(屋根)。そして機能に対応し…

西洋美術館 立体的な回廊のシークエンス

ちょっとブログを怠けているので、気分転換に上野にある西洋美術館の写真を載せます。 もう5,6年前の写真かな 上からの光。自立した柱。突出するボリューム。貫入する壁。 ヴォリュームとしての光。面としての光。自立した柱。自立した柱とスロープ。 小さ…

建築について 

うーん 僕もそろそろ建築について考えなきゃいけない。と、いうかもともと僕にとっての建築とは何だったか整理していこうと思います。ようするに、僕はこういう建築をつくりたいんだという態度表明(といったら大袈裟ですが)みたいなものを少しづつでも自分…

メモ ラ・トゥーレット修道院

ドミノというシステム。ドミノ・・・水平なスラブの積層。 水平なスラブを変形させた斜路。大地の暗喩としての斜路。 ラ・トゥーレットでは斜路が外在している。 大地そのものがそこにある。 荒地そのものがそこにある。ラ・トゥーレットは荒地そのものを抱…

海の夢 コルビュジエについての断章

真夜中に目を覚ますと、暖かい部屋のなかだった 窓からは白い雪の世界が見える すべての音を吸い尽くすような静かな雪の世界 雪に埋もれた針葉樹の森のなか 深い階段を降りていった先に何があったか ぼんやり明るくなつかしい場所 幼年時代の思い出にも似た…

旅行記18 サヴォワ邸 ル・コルビュジェ

10月1日 昨晩は疲れきっていて20時すぎホテルに戻り部屋のベットに横になったらそのまま眠ってしまった。明け方近く目が覚めメモなどつける。6時頃また眠くなり8時すぎまで横になっていた。今日はサヴォワ邸へ行き、オルセー美術館でも行ってゆっくり…

旅行記17 ロンシャンの礼拝堂 ル・コルビュジェ

9月29日 昨晩は日が暮れてからディジョンについた。宿がなかなか見つからなかったけど、古い邸宅を改装したような良い雰囲気のホテルに泊まることができた。朝7時半チェックアウト。1泊しかとれなかったのでバックパックで駅へ。窓口まだ人少なくベルフ…

旅行記15 ラ・トゥーレット修道院 ル・コルビュジェ

9月26日 SNCFにて11時すぎマルセイユを発つ。Arles、Avignonと懐かしい名前の駅を通過していく。今こうして自分が南仏の風景のなかに身を置いて居られることに感謝したいと思えた。鉄道と同じレベルを流れるゆったりとした川面は空を映し、川の向こ…

旅行記14の補足

旅行記14の補足。「・・都市の風景を反転させてしまおうとした。この大きな塊が大地から持ち上げられたとき、それはそんな強い意志の表明だったんだろうと思う。」について。学生時代了二先生からいただいた資料がでてきたので載せておきます。ユニテ・ダ…

旅行記14 マルセイユのユニテ・ダビタシオン  ル・コルビュジェ

9月25日 朝8時半起床。9時頃チェックアウト。ニースの鉄道の駅へ。切符売り場の行列に並びマルセイユまでのチケット28.5ユーロ購入。2時間半ほどかかり14時前マルセイユ着。丸山事務所時代いつも記念撮影していたマルセイユ駅前の芝生が舗装され…

旅行記13 カップ・マルタン ル・コルビュジェ

9月23日 朝8時起床。昨晩から明け方にかけて変な夢をいくつか見た。静かな食堂で朝食を頂きご主人に挨拶しホテルを後にする。イタリア最後の宿だった。3週間ほど前に居たはずのお祭りの舞台のような真夏のミコノスが嘘みたいに、北イタリアの晩夏の海岸…

オリュンポスの神々 ラ・トゥーレット修道院

荒地。 傾斜地。 この領域に閉じ込められたミノタウロスが血を流しながらのたうちまわる。領域を取り囲むのはオリュンポスの神々が鎮座する祠の列。 矩形の領域。 理性の檻。 ドミノ。 ここは海の底。 クレタの迷宮。 夕暮れのラ・トゥーレット修道院の中庭…

Villa les Terrasses ル・コルビュジェ

「・・こうした内でも外でもない、天上でもなく地上でもない宙吊り状態のテラスこそは、ヴァレリーの最も重要な思考のトポスのひとつだからである。・・※1」 「どんなに快い風景でも、港の上に張り出した日当たりのいいテラスから見える風景にはかなわない・…

ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸

気まぐれな写真整理ついでにアップしてみた。 ル・コルビュジェ ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸 それにしてもよくわからない家。 外構の床(大地)がズルズルと連続している感じがコルビュジェのピロティのおもしろさかもしれない。領域を区切るために建物の下…

「空間」のこと「建築」のこと

今日は昨日から引き続き雨。トタンに落ちる雨だれの音は不思議に小さい頃泊まった親戚の家のことを思い出させる。 西洋美術館の続きを少し。 僕は美術のことはわからないけど、西洋美術館の常設展示は好き。クロード・モネの「陽を浴びるポプラ並木」をなん…

ル・コルビュジエ  西洋美術館

春の陽気は体が楽で気持ちいい。体が元気で、動き回れて、食べたい物食べれて、これで充分幸せだよ。花粉症はきついけど。 午前中用事を済ませると、ふと思いついて上野の西洋美術館へ行ってみた。というわけで今日はまじめに建築(西洋美術館)のことを書い…