海の夢 コルビュジエについての断章

真夜中に目を覚ますと、暖かい部屋のなかだった
窓からは白い雪の世界が見える
すべての音を吸い尽くすような静かな雪の世界
雪に埋もれた針葉樹の森のなか
深い階段を降りていった先に何があったか
ぼんやり明るくなつかしい場所
幼年時代の思い出にも似た場所だった
深い雪のなかで、地中海の、波のざわめきが耳に残っている
1911年 それは晩夏の地中海だった
波うち際を歩く
足の裏の砂が波にさらわれていく感触がある
強い太陽の光とすべてを飲み込もうとする海
古代ギリシアの不変の光を映す海の波間、その海面は、不定形で不透明な世界との境界面でもある
海面下はまた地中海の文明を生んだクレタの怪物ミノタウロスの住んだ迷宮の深部へとつながっていく
青年の魂が触れたものはなんだったか
青年は両親から授かった名を捨て カラス(Corbeau) と名のる
遠くに雷鳴を聞いただろうか
地中海の光のなかで


カラス(Corbeau)と太陽(Soleil)と海(La mer)








備考 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%93%E3%82%B8%E3%82%A7




[ル・コルビュジェ]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%A5%E3%82%B8%E3%82%A8




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