ル・コルビュジエ  西洋美術館

春の陽気は体が楽で気持ちいい。体が元気で、動き回れて、食べたい物食べれて、これで充分幸せだよ。花粉症はきついけど。
午前中用事を済ませると、ふと思いついて上野の西洋美術館へ行ってみた。というわけで今日はまじめに建築(西洋美術館)のことを書いてみます。
西洋美術館はル・コルビュジェのドミノをベースにピロティを含め3層からなる箱。中央の3層吹抜部分を中心にその周囲を廻る2階の床レベルが主な展示スペースとなっている。中央の3層吹抜部分はトップライトの光と高さが求心性を持つけど、逆にその周囲の一層上がった展示スペースは黒く低い天井が押さえつけて、横の方向へ意識や体が向けられるようになっている。ラ・ロッシュ邸のエントランスのように、中央の吹抜部分は室内というよりも戸外の広場か露地のような場所。だからその広場を囲む壁はファサードとして独特の緊張感を持つことになる。ル・コルビュジェの特徴として、一度設定した領域の境界面を突き破って突出させたり、穴を開けて連続させようとする。そのことでいっそうその境界面の表面張力が高まってくる。そして内と外は斜路で結ばれ、街路や広場から見上げたときに見えるあの窓の向こう側、反対に室内から眺める戸外・・そういう向こう側とこちら側を行ったり来たりするような不思議な感覚を生む。とくに周囲の展示スペースは前述のように黒く低い天井が押さえつけて意識を水平方向に持っていく為、鑑賞者は中央の吹抜へ押し出されたり、間近な絵に意識を集中させたり、その周囲の2層分の高さのスペースの展示を少し遠くから眺めることになる。少し感覚が馴染んでくると、さらに卍型に配置されたトップライトの光が3階を通り、2階の低い天井のスリット(現況は照明)から落ちてきていて、一定の向きを与えていることに気付きはじめる。その向きを柱の列が加速して、外壁に空けられた開口がひっぱるので、外へ向かっていく回転運動が始まりだす。これほど静的な箱にカタチの動きではなく、外壁の開口の配置や柱のリズム、トップライトの光の入れ方と配置、天井の高さの変化で知覚の運動を生み出すこの建築の力はやっぱりすごいと思う。
ただ、この回転運動が向かう外の世界は、きっと上野の森ではなかったんだと思う。ル・コルビュジェはその先にどんな風景をみていたんだろうか。
補足 ちょっと言いすぎてます。それとやっぱり実施設計と現場監理に関わってないので、良い建築で終わっていて「ル・コルビュジェの建築」では無いんでしょうね。ちょっと硬すぎ?
その後、不忍池でカモと戯れ、旧岩崎邸に立ち寄り、湯島天神に参って上野めぐり終了。しぶいなー。ジジイかお前。






備考 
http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%A5%E3%82%B8%E3%82%A8




[ル・コルビュジェ]








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