ケルトチック

スコットランド・リーグで中村俊輔のいるセルティックが優勝を果たしました。いやーうれしい。スコットランド・リーグは世界のリーグの中では必ずしも一流とはいえないけどセルティックというクラブチームには独特の存在感があります。
セルティックはCeltic F.C. つまりケルトの、ケルト人のフットボールクラブという名称。
それは18世紀から20世紀にかけて近代国家が成立していくときに発見された「ケルト」。
日本人の僕らには理解できないけど、ヨーロッパにおけるギリシャ、ローマというのは絶対的な中心でした。
イギリスでは19世紀にその絶対的な中心(新古典主義)に対する辺境としてのアイデンティティ(ゴシック・リバイバル)が意識されます。さらにその内部では、イギリス(大英帝国)という中心に対するマイノリティとしての「ケルト」が見出されます。2重に入れ子となったマイノリティである「ケルト」は不思議な強度を持ちます。2重にマイノリティであることで反転し、外部世界をのみこんでいくモダニズムの萌芽をも育むことに。不思議ですね。ウィリアム・モリスやチャールズ・レニー・マッキントッシュもこの流れにあるという見方があります。


ところでセルティックのライバルチームは今回も最終節まで優勝を争ったレンジャーズ。レンジャーズはアングロ=サクソン系でプロテスタント、そして英国連合を支持する人たちのチーム。セルティックケルト人の末裔であるゲール人アイルランドグラスゴーに多い)でカトリック系の人たちに支持されています。
スコットランド・リーグで最大のライバルであり同じグラスゴーを本拠地とするこの2チームが背負うものは計りしれません。
東洋人である中村俊輔は異質な存在であるはずだけど、明らかにアングロ=サクソン系と異なるその風貌はむしろケルト的な存在として受け入れられているのかもしれないですね。(その反動としてレンジャーズファンからの日本人に対する人種差別も強くなったそうだけど)
04年にアイルランドを旅行する機会を頂きました。そういえば、そのとき立ち寄ったアイリッシュ・パブにはセルティックのポスターが誇らしげに飾ってありました。




写真はアイルランドの民家








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