手書きの図面

今日は平行定規が届いた。中古のモノを購入した。
設計事務所での修行時代。丸山さんの事務所では図面が手書きだった。
通り芯を決めるだけでも大変だった。いけると思うところまでスケッチを何枚も描いた。それから祈るような気持ちでトレペの裏から芯を入れる。
机の上に貼りっぱなしの原図を汚してしまうこともあった。コーヒーの染みとかよくついた。気合の入った線をひこうしてよくトレペを破った。データじゃないから原図は大切だったハズだけど。
入所して最初の2、3年は図面を書く傍らに吉村順三さんの図面集を置いていた。なるべく同じ縮尺で書かれた図面をひろげていた。納まりを参考にするとかじゃなくて、なんとなく図面の密度というか雰囲気を感じておきたかったから。事務所に置いてあった図面集はボロボロになっていた。吉村さんの図面も、どちらかというと入所してまもない若い所員が一所懸命に書いたような図面で、字も下手だった。
実施図面を手書きで書くようなことはもうないと思うけど、途中のスケッチはやっぱり手で書きたいと思う。