マラドーナ

僕の中学生時代のアイドルはマラドーナだった。
僕はサッカーにのめりこんでいったけど、下手だった。トラップが下手でいつも足元にボールがうまく納まらなかった。いつも「ボールを落ち着かせろ!」と怒鳴られた。でもある本に出会って目から鱗が落ちた。そこには「浮いたボールほど面白いものはない」という言葉があった。
僕は遠くにボールを飛ばしたかった。インステップで力いっぱいフルスイングするキックの練習ばかりしていた。ところがその本の中では「蹴り方なんて、どうでもいい。力を抜いて足のスウィートスポットに当てさえすればボールは正確に遠くへ飛ぶ」という言葉があった。
その本の名前は「マラドーナスーパーサッカー 朝日出版社」著者はスポーツライター富樫洋一さんでした。
富樫洋一さん、じゃなくてジャンルカさん、いい本をありがとうございました。
中学生の僕がこの本と出会えたことに感謝しています。

ちなみに、この本と出会ってから10年後、98年のフランスW杯。日本の開幕戦でアルゼンチン国歌を聴いたときは本当に涙が出ました。あのアルゼンチンと日本がW杯で対戦するなんて、夢のようでした。

「浮いたボールが面白い。だからボールは浮かせたままで処理をする。」

「蹴り方なんて、どうでもいい。力を抜いて足のスウィートスポットに当てさえすればボールは正確に遠くへ飛ぶ」
※写真は「マラドーナスーパーサッカー」(富樫洋一:構成、高橋裕:写真 朝日出版社 1988)より




追記:マラドーナのアルゼンチン代表監督は無理だと思う。良くも悪くもあの人は純粋なサッカー少年だから。