大炭窯

15時鳥上現場。大炭窯とその上屋の工事です。

内部の床仕上は土です。たたきではなくまさ土です。

壁と屋根の間にすき間があって光が入ってきます。風も入ってきます。煙抜きの為のすき間です。

木毛セメント板の野地に光がにじみます。

ショートケーキみたいなきれいな建物より、こんな素朴で素直な建物が僕は好きです。



雪も一段落。ひさしぶりに光が雲間から差し込みました。









現場は奥出雲町の鳥上(とりかみ)山(船通山)の麓です。鳥上山はスサノオノミコトヤマタノオロチを退治してアメノムラクモノツルギ(三種の神器のひとつ)を獲た場所です。「古事記」にいう「肥河上(ひのかわかみ)なる鳥髪(とりかみ)の地(ところ)」です。

砂鉄を溶かし製鉄する技術は朝鮮半島から伝わったとされます。そして奥出雲では中国や朝鮮半島には無い豊かな山の力、樹木の力によって大きな鉄の文化を生みだします。砂鉄を溶かす為には火の力が必要となります。

その火の力を生む木炭を生産するための大炭窯です。

ここは神々の山に囲まれた、たたら踏む民の地でした。









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