広瀬鎌二+阿佐ヶ谷+高円寺

土曜日は午前中雑用、振込、お手紙の返事書いたり等。昼前、所用で新宿まで歩いて出る。久しぶりに御苑前あたりを歩いた。飲食店やブランド店が立ち並び休日の昼どきで人出も多い。世界堂に寄って名刺入れやハガキを整理するファイル購入。ふたたび明治通りを歩いてアパートへ。もう10年以上この通りを歩いてることになるんだな。夜は高円寺で約束ありその前に東中野、阿佐ヶ谷をぶらっとすることにした。
東中野では広瀬鎌二の住宅SH-60に出会った。鉄が朽ちていくようにいい歳をとっている。SHシリーズは住宅の床面積が圧倒的に不足していた50年代から60年代、広瀬鎌二が住宅の生産性と標準化の問題に真正面から取り組んだ住宅群。それは工業化されていく生産のしくみと住宅をダイレクトに結び付けようとする試みだったと思う。だから圧延鋼による標準化とパネルのモジュール(2250)による寸法体系で設計されていた。ところが数年前、もうかなりご高齢になられた広瀬さんの講義を聴講したら圧延鋼ではなく鋳鉄による掘立柱の建築を設計されていてびっくりした。脆い鋳鉄は日本では建築の構造材として使われることはまず無い(僕がパリでみた鉄の建築はほとんど鋳鉄だったけど)。広瀬さんは鋳鉄の半永久的な耐久性に注目されていた。圧延鋼から鋳鉄へ。広瀬さんの視点が建築の生産性の問題から建築が存在し続けるということへシフトしたんだろうか。究極のサスティナブルはリサイクルよりもむしろ建築が長い間存在し続けることなのだから。講義では耳も遠くなられていて話し振りも温和で時々ボケたようなこと(お話が上手という意味で)も仰ていたけど、建築に対する挑戦の姿勢は資本家の手のひらで遊ばされている今の建築家達よりよほど緊張感があるなーって感じたことを覚えている。
夕暮れの阿佐ヶ谷の中杉通りを歩き、阿佐ヶ谷住宅を散策。19時半高円寺へ。「かみや」でカナダさん丸山さんと飲む。カナダさんに企画していただいた。結局いつものグダグダコースまっしぐら。翌朝5時まで高円寺を飲み歩くことに。高円寺は面白い街だなあ。途中地下にもぐったお店が良かった。70年代から続いているそのお店は時間が本当にとまっていた。こんなお店がまだあったなんて。夢じゃないかなって思うくらい妙に懐かしくて、正直感動。不思議な時間を過ごせました。



広瀬鎌二 SH-60 高さ方向のスケールがすごく抑えられている。シビアな設計。いろんな意味であり得ない住宅。








阿佐ヶ谷住宅 後日また感想書きます(たぶん)。




高円寺。


#広瀬鎌二
#阿佐ヶ谷住宅
#高円寺

備考 
http://www.tostem.co.jp/biz/iest/ienochi/kenkyu/01/01.htm
http://www.tostem.co.jp/biz/iest/ienochi/kenkyu/02/01.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E7%80%AC%E9%8E%8C%E4%BA%8C








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