20130723

新宿7丁目。大久保通りから3層分くらい下がった大きな窪地。その木造住宅が密集する狭い路地に面したアパートの2階。2時か3時か、夜中だったと思います。ゴオオン。ゴオオン。と木製建具のガラスがビリビリ振動するような唸り声。空からのサーチライトみたいな不気味な光が窓ガラスを照らしています。
部屋を出て外廊下から空を見上げると、新宿のぼんやり明るい空に、轟音のようなエンジン音。軍用機を思わせる黒いシルエットが浮かんでいました。世の中には知らない世界でいろんなことが起こっているもんだなと思いました。10年前くらい。今思えば夢だったかもしれないけど。

レオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプターやひこうき、羽ばたき機のスケッチを初めて見たときは思わずバカにしてしまったのを覚えています。明らかに空を飛びそうにないから。でも、それらの機械は大量生産の前の時代の人間らしさを持った夢のある機械だったんだなと思います。

風立ちぬ」を見ました。

なんとなくせわしく、焦ってばかりの毎日が続き、今でもやらなきゃいけないことがたまったままなのに、現実逃避を兼ねて観てしまいました。
オープニング。夢の中で幼い堀越二郎が空を飛ぶ飛行機は擬人化されたプロポーションを持った宮崎駿さんらしい飛行機だなと思いました。ラピュタに出てくるロボット兵なんかと同じ感じ。

映画は本当に宮崎駿さんが、宮崎駿さんの映画をつくりきった感じがしました。

宮崎駿さんは本当に巨人だなあと改めて思いました。














http://kazetachinu.jp/