「シン・ウルトラマン」雑感

「シン・ウルトラマン」雑感(本当に雑感、、)
庵野 秀明さんと言えば、個人的に思い浮かぶのは巨神兵です。
エヴァンゲリオンシン・ゴジラもそしてシン・ウルトラマンもみんな巨神兵に見えてしまいます。
(ちなみにあの巨神兵の手足の長い独特のプロポーション宮崎駿さんの『天空の城ラピュタ』のロボット兵や『もののけ姫』のデイダラボッチと通じるものがありますよね。)
 
いつもと同じ、いつまでも続く平和な東京の「日常」の上に、不吉な「世界の終わり」の「しるし」みたいな巨神兵が浮かんでいます。
その「絶望」は、誰も気が付かないうちに、いつの間にか、何事も無かったかのように、みんなの「日常」の頭上に到来しています。本作では青空に浮かぶ月のように白く太陽の光に照らされた淡いゼットンがそうした終末を到来させるものとして「日常」の頭上に浮かんでいました。
手触りのある「日常」、それも昭和的な「日常」が近未来や宇宙、更には「世界の終わり」と隣り合わせになる感じは庵野 秀明さんの映像からいつも感じる不思議なリアリティです。
個人的にそうした日常の路地裏が白昼夢のように異世界と接続される世界で思い浮かぶのはアニメの「うる星やつら押井守)」です。これは新海誠さんの初期作品の印象的な舞台背景の描写でも反復されていると思います。
古来から日本では風水害や地震、戦乱で街や建築が永遠のものではなく、定期的に無くなってきました。また戦後の焼け野原から対戦国であったはずのアメリカの消費文化を享受し立ち上がった日本の精神性は独特だなあといつも不思議な感じがします。
使徒ゴジラや怪獣は何故か日本にしか現れません。その圧倒的な不条理。それらを日常の中に受け入れてしまう日本人の不思議な感覚。なんか、そういうもののことを考えました。
 
※本編のあらすじとはほとんど関係ありません。
 
 
 

画像は庵野秀明さんの『巨神兵東京に現わる』から。