出雲大社 庁の舎

50m近いスパンをプレストレストコンクリートの長大な梁を束ね柱に架け渡した、水平の構築性とでもいうべき不思議な力を持った出雲大社 庁の舎。

仮拝殿の為、境内の配置はきゅうくつなものになってしまっていました。
内部の床は一部、小径木の小口を並べた独特の仕上げだったのがフローリングに。背面の便所への通路は絶妙の壁の配置とキャンチレバーの庇が緊張感を持って密度の濃いデザインを成立させていましたが、仮設のような便所が立ち並んでいます。
この状態を見て、庁の舎は近い将来、取り壊されてしまうのではないかと思いました。
現代建築家が出雲大社の境内で挑んだ歴史的な建築物でありますが、この様子を見て、近い将来取り壊されることも覚悟しないといけないと感じました。



出雲大社 庁の舎 (1963年 菊竹清訓)



遷宮を終え、新たな力を得た神が鎮座する本殿。