「機能」から「場所」へ 斜床について 西沢立衛

昨日は西沢立衛さんのお話を聞く機会を頂きました。久しぶりに建築家のレクチャーを聞きました。
当初の、機能を納める箱をどうレイアウトするのかといったダイアグラム的な建築(静的)から、経験的なプロムナードのような建築(動的)に至る展開の話でした。
それは機能に対応した箱(部屋)の集積から、機能の無い「場所」のようなものをどう「構築」していくのかという命題への展開だったのかもしれません。
機能の無い「場所」を「構築」するとは矛盾した話です。その矛盾を解決する為の要素が「斜床」だったのかなと思いました。
斜面は本質的に非機能的な要素であり斜面は構築されません。逆に自然に対して水平な床を設置して初めて斜面(=自然)という概念も成立します。
建築とは何か。改めて問いかけるような仕事だなあと感じました。
当然 僕は コルビュジエのドミノ、及び斜路・斜床との関係を想起しました。



イカ デザインセミナー2018。



ル・コルビュジエのドミノ。水平の床を垂直方向に積層するシステム。建築の機能に対応した水平のスラブ。


ル・コルビュジエ ストラスブールの会議場案。ドミノの水平の床がトポロジカルに斜床となって連続する。



レムコールハースによるコルビュジエのドミノへの批評行為としての計画案。


ル・コルビュジエカルタゴの家とレム・コールハース/OMA のユトレヒト大学エデュカトリウム。


宇田川孝浩建築設計事務所