妹島和世さん 講演

パナソニックさんの大規模な新商品内覧会「NEW BOX 2014」会場CONVEX岡山に参加させていただきました。

その会場で妹島和世さんの1時間半に及ぶ講演を聞くことができました。島根に帰ってからは建築家の講演を聞く機会がなかなかないのでありがたかったです。

ローザンヌ連邦工科大学ラーニングセンター、ルーヴル・ランスから始まって、進行中のプロジェクトまで幅広く話を聞くことができました。どれも淡々と語られましたが、技術的にも建築の在り方としても、あのスケールでチャレンジする勇気と労力は想像を絶するものだろうということぐらいはわかります。

印象深かったのは、妹島さんが最後に犬島のプロジェクトを紹介したことでした。

プリツカーを受賞する建築家が、非常に小さな、住宅スケールの仕事に魅力を感じていることを意外に思うとともに、少し感動しました。犬島にはよく通われているようで、そんなささやかな話を聞けたことがうれしかったです。

この講演のタイトルは「環境と建築」でした。最後に妹島さんが、言葉につまりながら丁寧に語られたのは、(僕の意訳です→)今までの(妹島さんにとっての)建築という行為をもう少しはみ出したような、建築で完結してしまわないつながりを模索しながら、しかしそれでも建築をつくっているというようなことでした。

「環境と建築」というと、建築の内部環境と外部環境の関係、またランドスケープ的なことだと思いますが、妹島さんはそうしたフィジカルなことだけではなくて、たとえば建築がつくられるプロセス、建築を使う人たちのつながりといったものを含めて建築をとりまく「環境」と言われているような気がしました。