松江の街

この一週間、軽いムチウチと寒さで朦朧としながら時々雪のちらつく松江の街を歩き廻った。
島根女子短期大学の塩田洋三先生とのご縁でNPOしまね住まいづくり研究会のお手伝いをさせていただいています。
松江城の周囲の街をぐるぐる歩いた。街のなかに浮かぶお城。松江城は何百年も前に初めて建てられた姿のまま。
お城の南に位置する安田臣設計の島根県庁舎。そして1950年代〜60年代のの天才的なプロポーションをみせる菊竹清訓設計の島根県立博物館。お堀をはさんでその西にはやはり菊竹さん設計の武道館、図書館が建つ。
堀川の流れる美しい街並が残ることに改めて驚いた。
長屋の続く入り組んだ路地も多い。崩れそうな長屋の前の路地を歩いていると、時間が逆さまに戻っていってるような気がした。古い町屋の中を貫通する路地を抜けると裏の畑にでた。廃墟なのか人が住んでいるのかわからないあばら家に囲まれた場所。なまり色の空からは雪がふってきた。時間から取り残された場所がぽっかりと空にむかって開いている。
ここはどこだろう。ふとした場所から異界に入り込むようだ。
小泉八雲によれば、松江の街には各地区に暗闇にまぎれて異質なモノや人が現れたという。
まだそんな面影の残る街があることに驚いた。

堀川に映る家並。