風景のこと

ツイッター

ツイッターがどういうものかまだよくわかんないけど、いろんな建築やっているひとたちのつぶやきをみるだけでも面白い。 ツイッターを通じて知った建築系ラジオが面白い。雑誌などのメディアと違ってかなり生々しいやりとりが身近に感じる。不思議と仕事のB…

メモ 100623

現代社会は完成されたシステムの上に成り立っています。現代社会では個人が自由に生きていけます。 近代以前の社会では共同体に属さなければ生きてゆくことはできませんでした。そこでは各身体に役割が与えられ、その役割を果たすことが人生でした。建築に様…

水と水とが出会うところ

「昨日はいい水と出会ったなあ」おばあちゃんがそんなことをつぶやきました。 昨日はゴールデンウィークということで珍しく家族で出かけました。父親が以前から一度家族で行ってみようといっていた「天の真名井(あめのまない)」という水源と、その水源から始…

俗ニ生キ 俗ニ死スベシ

ちびとフーが死んだ。 死んで土になった。 でも何かが僕の一部になった。 生きるとか死ぬとかいまだによくわからないけど、死んですべてが無くなるんじゃなくて、何かが残っていくような気がする。別に宗教的な意味ではないんだけど。 初めて死というものを…

新大久保のアパート

僕は12年間、新大久保に居ました。大久保の地名の由来とされるクボ地、新宿7丁目。そこは大久保通りから一層分下がった低地です。その低地は木造住宅の密集地で、僕はその中のせまい路地に面した木造のアパートに住んでいました。外壁はリシン吹付け。部屋…

鳥上(とりかみ)の空

奥出雲町内にある小学校の改修工事を設計監理することになりました。現地調査を終えて帰ろうとしたときに山並から沸き立つ雲が見えました。その小学校の建つ鳥上(とりかみ)地区は大きな山に囲まれた盆地です。 鳥上は高天原を追放されたスサノオが降り立っ…

無意識について

僕は無意識について興味があります。 自分のテンションが不思議に高いときや、朝からなんか落ち込んでたり、なんであのとき何気ないあの言葉に動揺したんだろうと自分の気持ちの動きが理解できないときがあります。意識は一度にそんなに多くのことをできるわ…

アイルランドのこと

昨日は島根女子短期大学にて小泉凡さんとお話する機会をいただきました。小泉凡さんは民俗学がご専門で小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の曾孫にあたる方です。山陰日本アイルランド協会(http://www.sanin-japan-ireland.org/)のお仕事もされて、島根とア…

奥出雲 冬の夕昏

奥出雲 冬の夕昏、薄曇りの空の光。 ぼんやりとした陽の光が雲を透かし、ゆっくりと雪と一緒に降っている。車道を自動車が走るとチェーンの鳴る音、タイヤがアスファルトに残るシャーベット状の雪を散らしていく音が聞こえる。 ビニールの傘越しに空を見上げ…

「集団の夢の家」 ベンヤミンについての断章

パサージュは外側のない家か廊下である ― 夢のように [L1a,1] ヴァルター・ベンヤミン 外側のない家―それは夢の内部だろうか。外側のない家はどこかなつかしく幼年時代の記憶とともに神話的な古代世界へとつながっていく。ベンヤミンは十九世紀を集団の無意…

海の夢 コルビュジエについての断章

真夜中に目を覚ますと、暖かい部屋のなかだった 窓からは白い雪の世界が見える すべての音を吸い尽くすような静かな雪の世界 雪に埋もれた針葉樹の森のなか 深い階段を降りていった先に何があったか ぼんやり明るくなつかしい場所 幼年時代の思い出にも似た…

三仏寺奥院投入堂

昨日は暖かい日差しの一日だった。オカダくんと鳥取へ天皇杯観戦。帰りみち三朝町にて三仏寺奥院投入堂を遠くから望む。道路から見上げると紅葉のあいまにぼんやりと見えた。それは風景の一部になっていた。風景の一部になった人間の仕事とはなんだろうか。…

オリュンポスの神々 ラ・トゥーレット修道院

荒地。 傾斜地。 この領域に閉じ込められたミノタウロスが血を流しながらのたうちまわる。領域を取り囲むのはオリュンポスの神々が鎮座する祠の列。 矩形の領域。 理性の檻。 ドミノ。 ここは海の底。 クレタの迷宮。 夕暮れのラ・トゥーレット修道院の中庭…

Villa les Terrasses ル・コルビュジェ

「・・こうした内でも外でもない、天上でもなく地上でもない宙吊り状態のテラスこそは、ヴァレリーの最も重要な思考のトポスのひとつだからである。・・※1」 「どんなに快い風景でも、港の上に張り出した日当たりのいいテラスから見える風景にはかなわない・…

地下の礼拝堂クリプト

地下の礼拝堂クリプト 聖人のお墓 聖人だけじゃなくて ここに棲んでいるのは忘れ去られたヨーロッパの神々 遠い昔の記憶 古層に眠る集団の無意識 それらが保存されている倉庫 そういう役割もあったんだろうね 教会堂には写真は02年フランス ディジョン サン…

夕景

いつもより早く仕事終わり、日没後の初夏を思わせる空気を吸いながらひと駅歩いてみる。この現場は都心から電車で1時間ほどの場所。空が広い。空の色は薄い夕焼け色から深い青に近づいていく。もうすぐ星が出る。大きな川に架かる橋を渡ると、ゆらゆらと水…

世界を分節する(知覚する)身体

計画する身体と、世界を分節する(知覚する)身体がある。 こうしている一瞬一瞬も無意識はあらゆる身体感覚を受け取っているけど、意識まであがってくるのはそのほんの一部にすぎない。気がつかない音の数々、微かなにおい、消化器官の感覚、皮膚の感覚、体…

ケルトチック

スコットランド・リーグで中村俊輔のいるセルティックが優勝を果たしました。いやーうれしい。スコットランド・リーグは世界のリーグの中では必ずしも一流とはいえないけどセルティックというクラブチームには独特の存在感があります。 セルティックはCelti…

現代建築の多様性について、その不自由について

現代建築の多様性について、その不自由について。 それは不均質化ではなく、むしろ均質化の完成の時代だという。そこには本当の自由は無いんだというむなしさがある。現代建築には本質的な差異は無いから。現代建築の多様性は消費されるデザイン(趣味)の差…

夢について 「夢十夜」を読む

夏目漱石の「夢十夜」を読んだ。それはタイトル通り十夜の夢からなり、すべて「こんな夢を見た。」という出だしで始まっている。ちなみに僕自身はほとんど夢を見ない。自分の見た夢を克明に覚えているショウちゃんという幼なじみがいる。彼の夢はシリーズ物…

フランス ディジョンから奥出雲

02年フランス ディジョンだったか。この日のことはとても印象的だったのに、何故かメモが残っていない。 そのゴシックの聖堂はとりたてて目的物では無く、何かのついでに見ていたように思う。写真も撮り終わり、スケッチも描き終り、少し安心したような気…

高円寺スタイル

昨晩は高円寺にてシマヅさんと抱瓶にて飲む。初めてお会いする奥さん、3歳の息子さんも一緒に。シマヅさんは僕が上京して初めて図面をひかせてもらった新大久保にある会社の方で年齢も近い。当時、僕は大久保の夜学で建築を勉強し始めたばかりで、アルバイ…

悲しき熱帯

関東地方は夕方から雨が降り出した。もう日付は変ったけど、雨足が強くなってきた。 レヴィ=ストロースの「悲しき熱帯Ⅰ(川田順造訳)」、「神話と意味(大橋保夫訳)」を読む。 「・・いかなる表現も、それが精神的内容の伝達である限りにおいてすべて言語…

地中海 フランス 02年9月

アトラスの地図を広げたときから興奮していた。プロヴァンス地方アルルから南へ湿地帯を抜け地中海にぶつかる場所。地図で見るとほとんど海に浮かんだように見える。その名もサント・マリー・ド・ラ・メール。 La Mer ! 地中海 アジアのへりとラテンヨーロ…

帰省

3月1日 朝3時、何故か歌舞伎町のカプセルホテル泊 サウナ、風呂に入りホテルのレストランで生ビールとキムチ鍋、4時すぎ寝る。カプセルホテルから見える歌舞伎町の景色は12年前東京に来た頃と同じ。同じなのは自分の方か。8時すぎ東京駅、のぞみに乗…

川の風景

毎朝現場近くの大きな川を渡る 川の水面の表情は、自分の無意識の表情と重なってくる 穏やかな、波ひとつたたない水面のとき 空の雲が映りこんで不思議な奥行きが生まれるとき さざなみのたつ水面のとき 水鳥達が水面に浮かぶ・・ ひんやりと冷たくて、ゆっ…